2018/04/24

鎌仲ひとみ監督より/動画メルマガ カマレポ No.58 配信しました! 《安定ヨウ素剤市民配布@鎌倉》

安定ヨウ素剤市民配布@鎌倉

☆ぐるぅぷ未来の取り組み

今回のカマレポは鎌倉で行われた安定ヨウ素剤の配布会からのレポートです。主催の「ぐるぅぷ未来」は2012年から鎌倉を拠点に活動している市民グループです。私の映画も良く上映してくださっています。写真家の広河隆一さんから呼びかけがあり、様々な準備を整え配布会を実施しました。FaceBookに配布会に踏み切った考え方、これからの活動について書いてありますので

以下に引用させていただきます。
https://www.facebook.com/groupmirai/

「2/25の安定ヨウ素剤配布会を終了し、ぐるぅぷ未来では現在鎌倉市に対して、安定ヨウ素剤の事前配布を求める署名運動を展開しております。現在鎌倉市では安定ヨウ素剤を備蓄していますが、緊急時には配布が難しいのではないかと考えているからです。ご賛同いただける方には署名用紙を送りますのでぐるぅぷ未来宛にメッセージをご送付お願いいたします。

【要請事項】
1.安定ヨウ素剤を年齢問わず全市民に対して事前配布することを求めます。
2.三歳未満の乳幼児に対してはゼリー状の安定ヨウ素剤を事前配布することを求めます。

【趣旨】
現在、鎌倉市では安定ヨウ素剤を3歳から39歳まで約6万人分11万錠を備蓄しています。これは原発から30km以上離れた鎌倉市が、原発から「5km圏内に事前配布」を、「30km圏内には備蓄」と定める国の方針を一歩超えた施策として、評価させていただきます。

しかし、実際に原発事故等が起こった後に各自が指定された配布場所に安定ヨウ素剤を取りに行くのでは、混乱は必至です。せっかく備蓄した安定ヨウ素剤が行き渡らなかったり、効果を発揮するタイミングで服用されないおそれがあります。原発事故は何時起こるか解りませんし、横須賀には原子力空母が停泊し(小型原子炉と同じ規模)燃料棒加工工場があります。

遠く離れていると思われる爆発であっても、気象状態によって、放射能が遥か遠くまで飛散することは、311の福島原発事故で私達が知見したことです。事故直後に安定ヨウ素剤を服用すれば、90%の放射性ヨウ素の侵入を抑制することが出来ると言われています(日本医師会総合政策研究機構)。

また、最近40歳以上の人にもヨウ素剤が必要という発表もあります。チェルノブイリ爆発事故の折、国を挙げてヨウ素剤を配布したポーランドでは殆ど小児甲状腺患者が出なかったそうです。緊急事態が発生した時に、家族に速やかに安定ヨウ素剤を飲ませるためには、自分の手元に用意しておくこと、これ以外にはありません。是非、行政の手で市民全員に事前の安定ヨウ素剤配布を行っていただくことを、強く要望いたします。

更に現在では日医工で乳幼児用のゼリー状の安定ヨウ素剤が開発されています。これを手に入れるには、自治体の強い要請が必要です。是非鎌倉市でも、未来を担う子どもの為にゼリー状の安定ヨウ素剤を導入し、事前配布をお願いいたします。」

ぐるぅぷ未来は「鎌倉市に安定ヨウ素剤・事前配布を求める署名」を呼びかけています。
締め切りは4月30日です。鎌倉市以外の人も署名ができます。

☆危機意識を持った人々

配布会には350人が参加し、約1300人分の安定ヨウ素剤が配布されました。大勢のボランティアが運営に協力し、こんなに多くの参加された方々に迅速に配布されました。

以前のカマレポで松戸の配布会の様子をお届けしました。松戸にも参加していた青山医師、種市医師が今回も協力。加えて地元の医師もお二人協力をしてくださっています。国の方針では安定ヨウ素剤を事前配布するのは原発から5キロ圏内のみ、となっているので国の方針と違う取り組みに医師として名前を出して協力することに抵抗を感じて躊躇する医師の方が少なからずいらっしゃると聞きました。ですから今回、地元の医師が二人参加してくださったことは大きな意味があります。

また参加したお母さんたちは2011年に起きた原発事故を体験しており、そこから勉強を重ね、危機意識を持っているということがはっきりと伝わってきました。世間では原発事故への興味も薄れ、風化して行っているという空気もあるのですが、この会場に集まった人々はそうではなく、あの体験から確実に学び、進化していこうという強い意志がありました。でも悲壮感というよりは、前向きなポジティブな雰囲気が伝わってくるのです。そこが特に素晴らしいと感じます。

これから起きるかもしれない原発事故に備えること、それが自分の身にも起きるかもしれないという想像力を持つことは実はそんなに簡単なことではないと私は思います。しかし、この取り組みに参加することで、より一層リアルに「自分自身の問題」として捉えることができるようになるのではないか、と思うのです。当事者として考えるということです。当事者とは誰かというと、「ニーズを持った人々」と考えることができます。「問題を抱えた人々」というよりは社会の仕組みの中で問題を発見し、それを解決しようと動く人々のことでもある、と思うのです。

震災や原発事故の被災者ではなくとも、これから起きるであろう原発事故を想像し、当事者性を持つことは実は、誰でもできることではないでしょうか。ぐるぅぷ未来のような取り組みがこれから全国に広がっていくことを私も期待しています。



鎌仲ひとみ


■2018年4月26日(木) 東京都世田谷区
〈会場〉東京ロシア語学院
〈主催〉日本ユーラシア協会 原発問題特別委員会・日本ベラルーシ交流センター
チェルノブイリ原発事故32年企画
「小さき声のカノン」上映
3.11以降の世田谷の残留放射能変化報告「さよなら原発!世田谷の会」坂本功

■2018年5月5日(土) 茨城県牛久市
〈会場〉 牛久市中央生涯学習センター視聴覚室
〈主催〉環境学習同好会
映像でわかる原子力防災上映と、意見交換会
「カノンだより」上映(No.1,8,18,42)

上映に関する詳細はこちらをごらんください。 http://kamanaka.com/theater/

上映会開催も受付中です。お気軽にお問い合わせ下さい。
http://kamanaka.com/selfscreening/

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