2016/07/13

【報道まとめ】国が乳幼児用のヨウ素剤配備 9月から

2016年7月13日 NHK 
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160713/k10010593011000.html 

原発事故の際に服用するヨウ素剤はこれまで乳幼児用のものがなく、緊急時に薬剤師による調剤が必要で服用までに時間がかかるという課題がありましたが、乳幼児が飲みやすく調剤がいらないゼリー状のヨウ素剤が新たに開発され、国が配備を始めることになりました。

原発事故の際に服用し、甲状腺の被ばくを防ぐヨウ素剤はこれまで丸薬や粉末のものしかなく、乳幼児には、薬剤師が水に混ぜるなどして服用させる必要があり、事前に保護者に配布できず、緊急時に時間や手間がかかることが課題になっていました。

こうしたなか、富山市の製薬会社が乳幼児がそのまま服用できるゼリー状のヨウ素剤を新たに開発し、厚生労働省の承認を受けたため原子力防災を担当する内閣府はことしの秋から全国の関係自治体に配備することになりました。生後1か月以上3歳未満用と、量がその半分で1か月未満用の2種類あり、長さ10センチほどの袋からゼリーを指で押し出して服用させます。酸化などを防ぐ材料を使い、通常のヨウ素剤と同じ3年間保存できるということです。

内閣府によりますと、対象の乳幼児は全国におよそ15万人いて、その2倍程度の量を今年度中に配備する計画です。内閣府は「家庭への事前配布や自治体の備蓄によって服用までの時間を短縮することや薬剤師などの負担を減らすことができる。医療機関などの協力を得て、具体的な配備方法を早急に検討したい」としています。



ゼリー状ヨウ素剤、原発周辺自治体に配布へ 9月から

2016年7月13日 朝日新聞
http://www.asahi.com/articles/ASJ7F46M5J7FULBJ006.html

内閣府は13日、原発から30キロ圏の全国の自治体に対し、乳幼児向けの安定ヨウ素剤30万人分の配備を始めると発表した。重大事故の際、放射性物質が甲状腺に取り込まれるのを防ぐ目的で、自治体からの配布対象となる3歳未満の乳幼児は約11万5千人。これまでは避難が始まってから薬剤師が粉末をシロップで溶くなどして飲ませる計画だったが、甲状腺被曝(ひばく)の影響が大きい乳幼児の服用が遅くなる課題が指摘されていた。

乳幼児向けのヨウ素剤はゼリー状でイチゴ風味。ミルクやお湯にも溶け、新生児でも飲める。効果は錠剤と同じで、3年間保存できる。飲み込む力が弱まった高齢者らも服用できる。

医薬品メーカーの日医工(富山市)が国から依頼を受けて製造を始めた。国は自治体が必要量を購入できるよう財政支援する。9月に配備を始め、今年度中に終える予定。30キロ圏外の自治体でも希望があれば、来年度以降に配備を検討する。

ヨウ素剤はこれまで、30キロ圏の自治体に錠剤のものが配備されていた。自治体のなかには、5キロ圏の家庭にあらかじめ配っておき、事故時にすぐ飲めるようにしているところもある。ただ、乳幼児は錠剤を飲みにくいため、放射性物質の影響が大きいにもかかわらず、薬剤師の処方を待たざるを得ない状況だった。

配備に合わせ、原子力規制委員会も配布と服用のガイドラインを見直す。(杉本崇)

生後1カ月までの子ども向けのゼリー状安定ヨウ素剤のイメージ=日医工提供


ヨウ素剤、乳幼児用生産 日医工、ゼリー状で服用 楽に 

2016年7月13日 日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO04801970T10C16A7LB0000/

日医工は13日、原子力発電所事故が起きた際の甲状腺被曝(ひばく)を防ぐヨウ素剤で、ゼリー状の製品の製造販売承認を取得したと発表した。3歳未満の乳幼児でもそのまま簡単に服用できる。3月に承認を取得しており、受注に応じて製造を始める。2016年度は約30万包生産し、9月までに国や自治体に備蓄用として優先的に提供する。

日医工が開発したのは「エアープッシュゼリー」というスティック状のゼリータイプ。1包にヨウ化カリウム16.3ミリグラムを含んだ新生児用と、同32.5ミリグラム含んだ生後1カ月以上3歳未満用があり、3年間保存できる。甲状腺の内部被曝の予防・低減のみを効能としているため、薬価基準の対象外となる。

同社は丸剤や粉末状のヨウ素剤は既に製造販売している。丸剤はヨウ化カリウムの含有量が多く、3歳未満の乳幼児には使えなかった。乳幼児には粉末状のものを水やお湯に混ぜて服用させる必要があったが、緊急時に時間がかかるという課題があった。

丸剤でヨウ素剤を製造販売しているのは国内で同社だけで、ゼリー状の製品も初めてとなる。


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