2015/05/20

福島/裏磐梯 河北抄

2015.5.20河北新報
http://www.kahoku.co.jp/column/kahokusyou/20150520_01.html

「すみません、もう売り切れました。宮城県内の方には随分買っていただきました」と福島県北塩原村の商工観光課。村は裏磐梯を抱える一大観光地だが、福島第1原発事故の後遺症が消えない。

何とか観光客を呼び込みたいと、今月1日に5千円の宿泊補助券を半額で売り出したら、半月で6千枚を完売。「いやあ早かった」と担当職員もびっくり。

不思議なことに裏磐梯を訪れる人の数は原発事故後、かえって増えている。事故の年を挟み、2010年は256万人で12年は301万人。だが、中身がすっかり変わったという。

事故後に増えたのは「県内からの日帰り客が多かったから。放射能を心配せずに子どもたちを外で遊ばせたいということ」(商工観光課)。首都圏からは敬遠され、宿泊は大きく落ち込んだ。元に戻りつつあるものの、「学校関係の宿泊研修はまだ以前の3割程度」しかない。

裏磐梯は数々の湖に加え、磐梯山の眺めも魅力。次の販売は秋本番の10月。買いそびれた方はお忘れなく。<天高し噴火の跡をつくろはず 鷹羽狩行>


0 件のコメント:

コメントを投稿