2015/05/21

WTOに韓国を提訴 福島など8県の水産物輸入規制で、「科学的根拠ない」と政府

2015.5.21 産経

http://www.sankei.com/world/news/150521/wor1505210054-n1.html
 
政府は21日、東京電力福島第1原発事故の汚染水漏れを理由にした韓国政府の水産物輸入禁止措置は科学的根拠のない不当な輸入規制だとして、世界貿易機関(WTO)に提訴したと発表した。政府はこれまでWTOや韓国に措置は科学的根拠に乏しいと主張してきたが、韓国は応じなかった。
このままでは貿易に悪影響を与えるだけでなく、被災地復興の足かせになると判断し、提訴に踏み切った。食品に含まれる放射性物質の安全性をめぐりWTOで争うのは初めて。

政府は、日本産水産物の放射性物質は基準値を下回っていると強調した上で、韓国の措置が、WTOの衛生植物検疫措置の適用に関する協定(SPS協定)が定める「措置は科学的な原則、危険性評価に基づいてとる義務」に違反すると主張。今後、韓国との二国間協議を持ち、60日以内に問題が解決されない場合はWTOに紛争処理小委員会(パネル)の設置を求める。

政府は提訴に踏み切った理由について、「韓国から規制撤廃に向けた見通しが示されない状況が続いている」と指摘し、「このままでは早期に規制が撤廃される可能性は低いと判断した」と述べた。

韓国は2013年9月から青森、岩手、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、千葉の8県からの水産物輸入を禁止。韓国の日本産水産物の輸入額は、東日本大震災前の10年は175億円だったが、14年は103億円に減少するなど輸入禁止措置の影響が出ている。

日本からの食品輸入では、台湾も福島原発事故の直後から福島を含む5県からの食品輸入を禁止。今月15日からは輸入規制の強化に踏み切っており、政府はWTOへの提訴も視野に規制撤廃を求めている。

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