2015/04/20

「森のセシウム 土壌が遮蔽」 50年前核実験の影響調査

18日北海道新聞の記事(http://kodomozenkoku-news.blogspot.jp/2015/04/blog-post_47.html)はアップしましたが、こちらに詳細が報告されているのであげておきます。山からは降下しないとすれば、山形や新潟での線量の上昇は、どのような原因なのか探り、対策を講じてほしいところです。子ども全国ネット

   
2015年4月20日 東京新聞夕刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2015042002000260.html

一九五〇~六〇年代に世界各地で集中的に実施された大気圏核実験によって森林に降下した放射性物質セシウム137は河川や海などへはほとんど流出せず、五十年以上、森林の土壌内部にとどまっているとする研究結果を東京大の三浦覚(さとる)特任准教授がまとめ、ウィーンの学会で発表した。
 
セシウム137の半減期は約三十年で、東京電力福島第一原発事故でも広範囲に飛散。日本の森林は急斜面が多く、雨量も多いため土壌と共に流れ出ることが懸念されるが、三浦氏は「適切に森林が管理されれば、セシウムの森林外への流出は起こりにくいとみられる」と話している。
 
三浦氏は二〇〇六~一〇年に日本全国で採取された森林土壌のうち三百十六地点の試料を解析。セシウム137の濃度は一平方メートル当たり平均約一・七キロベクレルで、大気圏核実験で一九七〇年一月までに降下した総量から半減期を考慮して導き出した結果とほぼ一致した。
 
また、二〇一四年三~四月、福島県田村市の森林でセシウム137の土壌中の分布状況を調査した結果、事故で降下したセシウム137は表層五センチ以内にとどまっていることが判明。全国三百十六地点の結果と比較したところ、大気圏核実験で降下したセシウム137は五十~六十年かけて地中を約五センチ深く移動したとの分析結果が得られた。
 
三浦氏は「土壌の遮蔽(しゃへい)効果で空間線量率は下がるが、キノコなどがセシウムを吸収する懸念は依然残る」としている。

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