2014/12/11

「美味しんぼ」単行本化で一部変更

 一漫画が取りあげた、福島での被ばくによる鼻血問題に対して政府首脳や大臣までもが騒いだ「美味しんぼ」の件は記憶に新しいと思いますが、このたび単行本化されるということで、記述が一部変更されたとして、新聞各紙が取りあげています。
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「美味しんぼ」新刊本発売 セリフを一部修正も、鼻血の描写はそのまま

 小学館の漫画誌「週刊ビッグコミックスピリッツ」の人気漫画「美味しんぼ」で、東京電力福島第1原発を訪れた主人公が鼻血を出す描写などが議論になった問題で、これらの場面を収録した単行本111巻が10日、発売された。単行本では鼻血の描写は雑誌掲載時のままだが、登場人物のセリフなど一部の表現が修正された。
 4月28日に発売した号で主人公が鼻血で診察を受ける場面は、単行本では医師の発言内容を変え「原発見学で鼻血が出るほどの線量を浴びたとは思えません」と強調。主人公も「原発内での外部被ばくが原因ではありませんね」と答え、原発見学による被曝(ひばく)と鼻血との因果関係を否定する表現に変更した。欄外や巻末に放射線量や被曝に関する調査などの脚注も加えられた。
 また、次号で福島大准教授が「福島がもう取り返しのつかないまでに汚染された」と語る場面も、「震災前の政府の基準に従えば、住んではいけない所に多くの人が住んでいる」と修正された。
 原作者の雁屋哲氏は同日、公式ブログで一連の問題に対する自身の意見をまとめた書籍を来年1月に刊行すると発表。「まずは単行本第110巻と111巻をお読みいただいてから、ご意見をたまわりたい。一部分だけ読んで、あれこれ言うのは反則でしょう」と述べた。
 「美味しんぼ」の表現をめぐっては、今年4~5月の雑誌掲載時に大きな議論を呼び、福島県をはじめとする自治体が、版元の小学館に抗議。環境省が見解をホームページ上で掲載したほか、同誌は5月19日発売号で、専門家や関係者、編集部の見解などを特集記事として掲載した。

2014.12.10
http://www.sankei.com/affairs/news/141210/afr1412100018-n1.html
産経新聞



「美味しんぼ」表現、一部修正=単行本発売-小学館

 週刊「ビッグコミックスピリッツ」(小学館)の人気漫画「美味(おい)しんぼ」で、東電福島第1原発を訪れた主人公が鼻血を出した描写が波紋を広げた問題をめぐり、10日、これらの場面を収録した単行本111巻「福島の真実2」が発売された。鼻血の描写は残した上で、主人公らの発言が一部修正された。
 主人公が医者と話す場面では「(鼻血は)原発内での外部被ばくが原因ではありませんね」と因果関係を否定する表現に変更。実在の有識者が「福島がもう取り返しのつかないまでに汚染された」と話していた場面も、「震災前の政府の基準に従えば、住んではいけない所に多くの人が住んでいる」に変わった。
 一方、政府に詳細な調査を求める発言が加わったり、実際の放射線量のデータを注として提示したりもしている。
2014/12/10
http://www.sankei.com/affairs/news/141210/afr1412100018-n1.html
産経新聞





「美味しんぼ」単行本はセリフ修正 原発めぐり鼻血描写

 東京電力福島第一原発事故による放射線リスクを巡る描写が議論を呼んだ「週刊ビッグコミックスピリッツ」の人気漫画「美味(おい)しんぼ」(小学館)の単行本111巻「福島の真実2」が10日、発売された。主人公が鼻血を出す描写は残ったが、被曝(ひばく)との因果関係を巡る表現など10カ所以上が修正された。
 福島第一原発を訪れた後に鼻血が出た主人公が医者と話す場面では、医者の発言が「福島の放射線とこの鼻血とは関連づける医学的知見がありません」から「お話しの様子からでは原発見学で鼻血が出るほどの線量を浴びたとは思えません」に変わった。
 有識者が放射線の影響で鼻血が出るメカニズムについて説明を受けた主人公の発言は、「それで鼻の粘膜の細胞が破れて鼻血が出るんだ」から「鼻の粘膜が破れて血が出ることの、それも一つの説明だ」と断定を避けた。
 大学准教授が「福島がもう取り返しのつかないまでに汚染された」と発言した場面は、「震災前の政府の基準に従えば、住んではいけない所に多くの人が住んでいる」と修正された。
 編集部は巻末で「表現意図をより明確なものとするため、登場人物のセリフ等を一部修正しています」と説明。放射線の影響などについて、欄外や巻末に注釈を付けて解説している。
 原作者の雁屋哲さんは10日、問題に対する意見をまとめた本を来年1月に発売すると、自身のブログで発表した。小学館広報室は、休載中の連載について「再開は未定」としている。

 連載中の描写に対しては、福島県などが抗議。小学館は5月19日発売の誌面で、識者や関係機関の意見を集めた特集記事を掲載。編集長名で「ご批判、お叱りは真摯に受け止め、表現のあり方について今一度見直して参ります」と記していた。
http://www.asahi.com/articles/ASGDB5FLPGDBUCLV00D.html
2014年12月11日
朝日新聞



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